Groveコネクタ用簡易Breakout Box (BoB) 作ってみた
はじめに
私は仕事柄、よく電子機器どうしを接続して疎通確認をするようなことをしているのですが、初めてつなぐような機器だと一発では疎通しない場合があります。
「電源は届いているのか?」「コマンドは正しく出ているのか?」「Ackは返っているのか?」など、テスタやオシロ、ロジアナなどで見てみたくなる場面が多くあります。
そうした時に使うのが"Breakout Box"(ブレイクアウトボックス)です。BoB(ビーオービー)などと呼ぶ場合もあります。
例えば以下の画像はWikipeadiaで"Breakout box"の項を見てみると出てくる画像ですが、こんな感じに入出力のコネクタと、大量のジャックがついています。
モノによってはそれぞれの導線を開閉するためのスイッチがついています。以下のサイトの商品を見ると、BoBがどんなものかよくわかります。
BoBの内部では、コネクタの全てのピンをジャックに取り出し、(スイッチが有る場合は)スイッチで全ての線を独立に開閉できるようにしてあります。
また、バナナケーブルで入れ違いに接続することで、一時的に信号を入れ替えることも可能です。ジャックからオシロで信号を見ることもできます。
このように、BoBは電子機器の接続試験を行う際のデバッグにとても便利なのです。
Groveモジュール用簡易BoB作ってみた
ここ最近、M5Stackの人気もありGroveで接続できるモジュールが非常に増えてきました。今では公式だけでも200個以上のモジュールがあるそうです。
私もよくGroveモジュールをつないで遊ぶのですが、うまく動作しないときがあります。そんなときに簡単に信号を取り出したり入れ替えたりできるとデバッグしやすいのになーと思うことも多くありました。
そこで、今回Groveモジュール用簡易BoBを作ってみました。
回路図は以下のとおりです。
写真の通り、Groveコネクタが左右についています。回路図を見るとわかるように、Groveコネクタからつながる4つの導線が全てバナナジャック上に取り出されています。
また、それぞれの線は独立してスイッチで開閉ができます。オシロスコープで見やすいように、チェック端子もつけてみました。
例えば、左側にM5Stack、右側にGroveモジュールをつなぎます。スイッチを全てCloseにすれば、動作したまま信号を取り出すことができます。
デバッグがとても便利になるのですが、何よりスイッチがたくさんついていると使っていてなんだかテンションが上ります。なぜ?
何だかモジュールの動作がおかしいぞ、と思った場合はまずは信号を取り出してオシロで見てみるのが良いでしょう。
クロックとデータが入れ違っているのでは?という場合は、スイッチでその2つの線をOpenにして、バナナケーブルでクロス配線することで一時的に信号線を入れ替えることができます。
もしこれで正しく動けば、回路やプログラムを直せば良い、ということがわかりますね。
さらに、Groveコネクタの隣にはワンタッチ端子台がついており、Groveに限らず任意の配線をつなぐことができます。I2CとかSPIとかUARTを接続してみても良いですね。よほどの大電流でなければ何でもOKです。
最後に
Groveモジュールを使った回路のデバッグのために簡易Breakout box(BoB)を作ってみました。
デバッグに限らず、信号線を取り出してオシロで見てみたりすると、どんな通信をしているのかがわかって面白いです。
デバッグのための道具は趣味ではあまり作らないのですが、あるといざというとき役立つかもしれませんね。